2012/02/19

つかみどころがないという魅力



12月にベルリンに戻ってくるとき、乾燥麹をもってきました。2月ももう後半。そろそろお味噌を仕込まないと。

ベルリンで最初の味噌づくり。麹はあるし、大豆も手に入る、しかし容器の問題がありました。日本で定番のあの茶色い瓶のようなものを探しましたが見つからず。いろいろ調べて、ベルリンで手に入るもので最適なのは琺瑯素材だということに。インターネットで見つけたLIVという琺瑯製品専門のお店に出かけてきました。びっくりするくらいかわいいお味噌入れを手に入れましたよ。微生物たちがせかせか(それともゆるゆる?)働いて完成させてくれる発酵食品はつかみどころがなくて、そこが魅力的です。ベルリンの気候では、どんなお味噌が完成するでしょうか。



ベルリンは12の区(Bezirk)に分けられていますが、琺瑯屋さんがあるのはパンコー区(Bezirk Pankow)の、プランツラウアー・ベルグというエリア。家からはバスと電車に乗って45分くらいの距離です。

大都市ベルリン。エリアによってさまざまな表情を見せてくれます。駅の外に出てまず気がついたのが、落書きがほとんどないこと。我が家の近所は芸術的なものから、あちゃーというものまで、多種多様な落書きがあります。カフェやお店の外観は町の雰囲気をつくりだしますが、駅の周辺にはDEAN & DELUCAのような清楚な感じの食材屋さんやカフェがありました。我が家の近所にあるカフェはもう少し庶民的というか、まったりしているというか。また、近所でも北側に行くと、そこはトルコをはじめとするアラビア文化圏からの移民がとても多いエリアで、彼らの服装、とびかう言語、お店の看板や外観などが独特の雰囲気をつくり出しています。

「ベルリンらしさって何?」と聞かれたら、その答えはいったいなんでしょうか。ベルリンは本当に大きな町で、私はそのほんの一部しか知りませんが、それでも歩けば歩くほど、知れば知るほど、その答えがわからなくなります。この町は、だからこそ魅力的なのかもしれません。