2016/07/29

そうか、それもありか。


駅のフェンスに貼られていた
カメの捜索願い

一昨日の夕方、ベルリンではすごい雨が降りました。地下鉄駅に雨水が流れ込んだり、車が浮かんでぶつかってしまったりとけっこうな被害だったようです。近くにゾンネンアレー(Sonnenallee)という大通りがあるのですが、そこでは泳いじゃった人もいるとか。ちなみにmr. モッツアレラと私は以前、ゾンネンアレーを歩いているときに豪雨にあい、どうせもうびしょぬれだからと、みんなが雨宿りしている中、水たまりの上を飛び跳ねたり、水を蹴って水しぶきをあげたりして童心に返りました。その後に、かつてゾンネンアレーあった台湾料理のインビスに入ると、店主夫妻がだまってタオルを数枚とメニューを差し出してくれました。

昨日の朝お散歩に出ると、うちの前の運河沿いの道はいたるところに水たまりがあって通るのを断念。目的地だったゲルリッツァーパーク(Görlitzerpark)の入り口にかかっている橋も水たまりだらけ。ベビーカーと一緒には渡れませんでした。この公園には入り口がたくさんあるので、問題なく公園には行けましたが。 

さてふと思ったのが、ベルリン市民って寛容だなということ。てーげーというか、程々というか。たとえば通れなかった橋は、雨がたくさん降ると必ず水たまりができます。それは私が初めてベルリンに来た2011年の夏も同じで、以来迂回したことは複数回。でも、じゃあここを舗装してとか、という発想にはならないみたい。

ベルリンにいると、適当だなあ、そうか、それもありか、と思わされることがたくさんあります。近所の道路工事現場にあった案内板によると工事期間は3月から5月になっているのに、やっと4月くらいにいろいろ始まり、9月まで工事していたり。ちなみに、案内板は工事が終わるまでそのままでした。そういえば、ベルリンの新しい空港は2011年の秋にオープンする予定だったのに、まだできてないなあ。8時から営業しているはずの近所のカフェに9時少し前に行ったらまだ閉まっていて、ちょうどカフェのスタッフが来たので開店時間をきいてみると、「8時に開けようとは思っているんだけど」と言われたり。橋の欄干を突然歩き始めるおじちゃんがいたり。平日の昼間から運河沿いの道をビール片手に歩きながら楽しそうにおしゃべりしている、働き盛り年齢がいっぱいいたり。救急隊や消防隊の職員たちが現場近くの路上でタバコ片手に楽しそうに歓談していたり。

「そうか、それもありか」に日々遭遇する暮らし。慣れてみるとなかなか気楽なものです。そして、私にとってそれはベルリン暮らしの魅力のひとつ。まあ、ベルリンとはいっても気楽じゃないエリアもあるはずだけど。

 最後に、同じ適当でもDHLの適当さと、犬の飼い主の糞の始末の適当さについては、そうか、それもありかとは思えませんが 笑。

2016/07/24

シーズンはとっくに終わったけれど


アスパラガスを束ねてあった輪ゴム。
ただの緑の輪ゴムに白いシンプルなフォントで
FRISCHER SPARGELの文字。
ドイツではっと目につくものはたいていこういうシンプルなもの

シーズンはとっくに終わったけれど、シュパーゲル(Spargel)の話を。

シュパーゲルとはドイツ語でアスパラガスのこと。ドイツに春を知らせてくれる食べもののひとつです。毎年4月に出回りはじめ、6月末にシーズンが終了します。長くて暗い冬の終わりを告げるからなのか、ドイツ人たちのシュパーゲル熱はすごいものです。そういう私もシュパーゲルがお店に並び始めるととっても嬉しくなります。

緑と白のシュパーゲルがありますが、私も含め、みんなの熱い視線は白いシュパーゲルのほうに向けられている気がします。ベルリンではベーリッツ(Beelitz)というベルリンから電車で2時間くらいの町のものが一般的。エッセンでは、バルベック(Walbeck)というオランダとの国境近くの町で採れたものがいたるところで売られていました。エッセンのマルクトで12〜13センチほどのとっても短いシュパーゲルが売られていて、生でも食べられるとのことで買ってみたのですが、これがとってもおいしかった。

味は、一言でいうと、バルベック産のほうが甘くて、ベーリッツ産のほうが苦いかなと思います。どちらが好きか?と言われると、とっても難しい選択だけど、私はベーリッツ産です。かじると感じる苦みにほどよい甘さがあとからついてきて、それがやみつきになります。ドイツの伝統的なレシピではくったくたになるまで煮るのですが、私はそれは好きではなく、皮をむいてさっと素揚げにしてめんつゆに漬け込むか、フライパンでオリーブオイルとバターで炒めて食べます。私たちが気に入っているワインで"Walfried Sander"という銘柄があるのですが、今年はそこのシュパーゲルのためにつくられたという白ワインを見つけたので、それと一緒にいただきました。