2017/04/06

いかにもドイツな経験


 
先週末はMr.モッツアレラのお母さんとおばあちゃんのお誕生日をお祝いに、オーバーハウゼンへ行ってきました。オーバーハウゼンはドイツ西部、ノルトライン=ヴェストファーレン州にある小さな町で、ベルリンからは電車で4、5時間。学校で習ったルール工業地帯にあります。親戚でもいなかったら訪れることはないだろう、ドイツの普通の町です。おばあちゃんは今年88歳になりました。ドイツは誕生日を迎える本人が、招待した人にケーキなどをふるまう習慣があります。おばあちゃんは今年もなんと3種類のケーキを焼いて待っていました。乾杯のときにはみんなと一緒にシャンペンをあけ、その後別のお酒も飲んで上機嫌でした。ちょうどその日はお天気が良くて暖かく、一日中お庭で過ごすことができました。

さて、ここ数週間、いや数ヶ月、いかにもドイツな経験をしていました。

過去数年使っていたSparkasseという銀行の手数料が大幅に値上がりしたのをうけ、その口座は閉じ、mr.モッツアレラがずっと使っているCommerzbankに私も口座を開くことにしました。Commerzbankはオンラインのみの銀行で窓口をもちません。手数料が他の銀行に比べ安いのですが、窓口がないゆえに口座を開設する際の本人確認を郵便局で行わなければいけません。

数ヶ月前、書類とパスポートをもって近所の郵便局へ行きました。しかし私のパスポートは読み込めないとのこと。仕方がないので後日ほかの郵便局へ出向くも同じ結果。その後何度もためしましたがどこの郵便局でも読み込みできず。ある窓口では「またあなたね。たぶんだめだと思うわよ」とまで言われたほどです。ドイツでは銀行口座を開設するのに必要な情報として名前や生年月日のほかに「出生地」があります。ところが日本のパスポートには「本籍地」とはあるけど「出生地」とはない。それが読み込めない理由のよう。それは私の力ではどうしょうもないので、Commerzbankは断念することに。

いろいろ調べて郵便局のPostbankの手数料がわりと安いので、そこで開設することに決定。ウェブサイトを見ると持参書類は身分証明書のみとあったのですが、パスポートの他に念のため日本でいう住民票にあたる書類(meldebescheinigung)とをもって窓口へ行きました。しかし!窓口の人が住民票を見るなり、「発行から6ヶ月以内のものじゃないといけません」と一言。・・・ウェブサイトにそう書いておいてほしかった。

そのまま重い足取りでお役所へ出向きました。ドイツで暮らしている日本人なら同じ思いをしていると思いますが、ドイツのお役所は本当に「お役所仕事」しかしないので、できれば関わりは避けたいもの。でも仕方がありません。「銀行口座を開設したいので、住民票の写しをください」と言うと「わかりました。銀行カードはもってます?現金は受け付けないので」。・・・えっと「銀行口座を開設したい」って言ってるんだからもってません。

近くにあるもうひとつの役所窓口は現金を使えるとのことで、そのままそこへ移動。ちょっと待ったのちに受付の順番がきて、また同じように「銀行口座を開設したいので、住民票の写しをください」と言いました。窓口のお兄さんコンピューターで何やらカチカチ、カチカチ。そして言われたのは「今日はできないので明日またきてください」。その日の業務時間は朝の8時から15時まで。私が窓口にいた時間はお昼の12時半。一瞬言葉を失いました。・・・登録してある情報をただ印刷してほしいだけなのに。

そしてオーバーハウゼンから帰ってきた翌々日の火曜日、待ち時間に読むための本をもって役所へ行ってきました。建物の外での待ち時間40分、その後受付までの待ち時間約5分、受付から呼ばれるまでの待ち時間約10分。合計約1時間の待ち時間を経て、住民票のコピーを入手。もう額に入れて飾りたいくらいでした。その後エマを保育園に迎えに行ったその足で郵便局へ出向き、めでたく、ついに、ついに、ついに、銀行口座を開設できました。長い道のりでした。

もうしばらくドイツのお役所には関わりたくないです。 ・・・でも、近々税務局(Finanzamt)へ行かないといけないんだった 涙