ベルグリュン美術館の渡り通路の屋根に みるみるうちに雨がたまっていきました |
おととい29日から30日にかけてベルリンは記録的な量の雨が降りました。道路が冠水したり、浸水で非難命令が出た建物があったりと大変で、非常事態宣言が出たほど。 29日は、その後ベルリンが大変になることも知らず、実は被害の大きかったシャルロッテンブルグ(Charllottenburg)にあるベルグリュン美術館 (Museum Berggruen)へ行ってきました。
私のお目当てはパウル・クレー(Paul Klee)。雨のせいもあったのかもしれないけど、ものすごくすいている静かな環境で、じっくり鑑賞させてもらいました。青の使い方が本当にきれい。そして、まっすぐだけど、ただのつまらない直線ではない線。とても魅力的でした。
Paul Klee, Landscape in Blue (1917) |
今回クレーの作品を見ていて、突然中学校での記憶がよみがえりました。あるとき美術の宿題で絵を提出したのですが、その絵が銀賞を取りました。なんのコンテストだったか覚えてませんが、たぶん学内のなにかです。そのとき先生に「クレーの絵みたい」と言われ、「クレーって誰?」と思った記憶です。もうどんな絵を自分が描いたかも覚えていないし、先生の顔も名前も覚えていないのですが、クレーの絵に似ていると言われていたなんて!今ならちゃんとお礼を言えるのになあ 笑
Paul Klee, Part of G (1927) |
絵を見終わって、地下鉄駅に行く途中、信号機が動いていなくて、大きな交差点には白バイの警察官が立って交通整理をしていました。
行きの地下鉄の中で塩野七尾著の『イタリアからの手紙』を読んでいたのですが、ちょうどそこに、ドイツ人は「信号機が故障していた場合は、いったいどうなるのだろう?」というくだりがあったのを思い出しました。かいつまんで書くと、イタリア人、特にローマの人は信号無視は当たり前。みんなそうだから、信号が青だろうが赤だろうが、それに完全に頼ることなく自分の目で確認する。それに比べドイツ人は信号を守る。赤ならしっかり止まる。そのかわり青になったらレースさながら発信する。横断歩道の途中で渡りきれず立ち往生している歩行者がいたら、その人が悪い。規則は規則だから。
いたるところで鳴らされるクラクション。遠くから聞こえてくる救急車や消防車のサイレン。そのために道を開けなければという緊張感。大混乱という状況ではないけど、まるで逆走行している車が点在しているかのような、これ以上何かが崩れると一気に混乱していくような雰囲気でした。こんな状況の中では、普段から自分の判断で行動している国民のほうが臨機応変に対応ができるのかもしれないなあと思いました。
今日もほぼ一日雨でした。 ベランダのトマトやバジルたちはうなだれてます。明日は太陽が出るかな。せめて雨が降らなければ良しとしよう。でも、もし雨が降ったらクレーの雨の絵でも見て(インターネットでだけど)心をなだめよう。
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